私 の 愛 し い 人 [ホラー]
『まじ髪盛んのだりぃ』

鏡を見ながら毒づいた。
逆毛を立てながらトップを整えていく。

『星愛ちゃん‥いぃ?』

部屋の外からあの女の声がした。

何も返事をしなかったら、勝手にドアが開く。
その行動に私はキレる。

『開けていいっつってねぇだろ!!
てめぇは家族じゃねぇんだからよ!
兄貴の彼女だからって偉そうにすんじゃねぇよ!!』

大声をあげるとその声を聞いた琉輝星が部屋に入ってきた。
顔はものすごくキレている。

『お前‥!
なんて口の聞き方‥―』

『うるせぇよ!』

髪の毛も終わりかけていたので、私はカバンを持ちドアに立ち塞がる琉輝星の前に立った。

そして言う。

『なんだ?お前。
てめぇの女の事になると必死だな。

しかもキレたら絶対来るしなぁ。
あれだろ?

あたしがキレてグチグチ言ってたら"私もう堪えられな〜い"とか言われるとか思ってビビってんだろ?
それでお前がフラれたらこの女はそこまでのカスだったって事だよ。

あたしを責めんな。

てかこいつが悪ぃんだから。
勝手にドア開けんなっつーの』
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