たとえばこんなスクールライフ
「それにしても」

下平さんは周囲を見渡します。

「派手にやったねリリム。言霊の調べは禁止だって言わなかったかい?」

「……」

重傷者は皆無とはいえ、風紀委員会本部周辺は浸水、反省室も分解しています。

「ご、ごめんなさい…」

項垂れる私に。

「俯かない、下向かない」

下平さんは例の約束事を口にしました。

「やった事は決して誉められた事ではないけれど…君はこれを悪意でやったのかい?」

それは…!

私は顔を上げます。

誓って言えます。

私はクラスメイトの皆を助けたかっただけ。

ミーシャさんや風紀委員会の人達に言霊の調べの矛先を向けたのは認めますが、それだってただ悪戯に殺傷させようと思った訳ではありません。

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