たとえばこんなスクールライフ
私が行使した言霊の調べのせいで、ビショビショになってぬかるんだ地面。

その地面に、私は降り立ちます。

それを取り囲むように、迎え入れてくれるクラスメイトの皆。

「皆、私…その…」

「あー、話は後々!」

言いかけた私を、クラスメイトの誰かが遮りました。

「これどーやって片付けるかな?」

「まず水をどーにかしなきゃいけなくね?」

「枯渇魔法使える奴、水を枯れさせろよ」

「あの反省室も元通りにしなきゃな」

「左官スキル持ってる奴は?」

「そんなスキルねーよ!」

今回の騒動の処分だというのに、皆どこか楽しそうでした。

誰一人として、私を責める人はいなくて…。


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