たとえばこんなスクールライフ
いよいよ一人きりになりました。

下平さんに渡された書類を胸に抱いたまま、青ざめかけた表情で事務局の扉を開きます。

…扉が開いた瞬間、一斉に事務局内の人達が私の顔を見ました。

それだけで目眩がして、くらくらと頭の中が揺れます。

緊張と不安。

そこから先の事は、正直よく覚えていません。

事務局員さんの言われるままに書類を渡して、私は気がつくと、ある部屋の前に立っていました。

ガヤガヤと、大勢の人の声が洩れて聞こえてくる、部屋の前。

「ここが今日から君のクラスになる、高等部普通科2年F組だよ」

いつの間にかそばに立っていた男性…このクラスの担任教諭が私に言います。

「え…あ…」

やっと我に返って、全く心の準備の出来ていない私。

なのに容赦なく、担任教諭は教室のドアを開け、私を伴って入室しました。

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