たとえばこんなスクールライフ
ドアが開いた瞬間、静まり返る教室内。

私と、私を伴って入室する先生の足音だけが、室内に響きます。

教壇の前に立つ私と先生。

…教室内にいる、40人近い生徒の80近い瞳が、一斉に私を凝視しました。

「えー、本日よりこのクラスに新しい仲間が増える事になる。転校してきたばかりでこの学園の事はわからないだろうし、特殊な仕事の関係で何かと休みがちになると思うけど、みんな仲良く協力してやってくれ」

先生は説明の後、無言で私を促しました。

…こんな大勢の人達の前で、私に自己紹介をしろという事らしいです。

教壇の一番前に立ち、注目を浴びます。

…膝がガクガク震えました。

緊張で掌が汗びっしょりです。

今にも逃げ出したくなるけど、ここには逃げ場なんてない。

私を守ってくれる下平さんは、ここにはいません。

諦めの境地にも似た心境で、私は口を開きました。

「…リリム・リリアです…よろしくお願いします…」

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