たとえばこんなスクールライフ
まぁ、そんな事もあったものの、代わる代わるクラスメイト達は思い思いの歌を歌っていきます。

3時間が経過する頃には、みんなマイクの奪い合いをするほどに。

お酒も入っていないのに、この盛り上がりようは信じられないほどでした。

私も顎が痛くなるほど笑って、お話して。

こんなに楽しんだひと時は、言うまでもなく初めてでした。

だけど、楽しい時間というのはあっという間に過ぎていくもので。

「お、そろそろ終了時間だな」

白虎君が室内の時計を見て言います。

「次の曲でラストといくか。誰が歌う?」

「バッカ、決まってんだろ」

斑鳩君がコーラを飲み干してニッと笑いました。

「トリは今回の主役に任せるのがセオリーってもんだろ」

彼はそう言って、私の背中を軽く押します。

「え、え?私ですか!?」

急な事で慌てる私に、クラスメイトの皆が笑いかけます。

「バラードなんていいかもな。リリムの歌でビシッと締めてくれよ」

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