たとえばこんなスクールライフ
何か心配事があるのでしょうか。

「ん…いや…今年は他の部員が気合が入ってねぇっつーか…心ここにあらずっていうか…他所事に気をとられてて、浮付いてる奴が多いんだ」

「浮付く?」

試合前の大事な時期なのに、何に気をとられているんでしょうか?

「…いや…まぁ…」

言いにくそうに言葉を濁す白虎君。

「まぁ世界中に名を轟かせる歌姫が学園に転校して来たっていうんだから、浮付くのもわからんでもねぇんだがな…」

「!」

徒手空拳部の部員さん達が集中できないのは、私のせいだったようです。

「ご、ごめんなさい、私…」

「いや、違うんだリリム。集中できねぇのは本人の自覚の問題だ。おめぇに非がある訳じゃねぇ」

白虎君はそう言ってくれますが、確かに私が転校してきたせいで、学園内がどことなく落ち着きを失っているのは事実でした。

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