たとえばこんなスクールライフ
孤独で、孤立していて、本当に寂しい、悲しい。

そんな気持ちを吐露したつもりなのに、下平さんは笑みすら浮かべて、私の言葉を聞いていました。

その表情が、少し癪に障ります。

「何が可笑しいんですか?」

「いや…だってさ」

彼は崖の下…そこに広がる森の中を指差しました。

「よく見てご覧。あの木の陰…あそこの木の枝の上、それにあの岩陰にも…」

「…?」

言われるままに、私は目を凝らし。

「…!」

ハッと息を飲みます。

「君は孤立しているって言うけれども…だったら何であんな場所に隠れて、『彼ら』は崖の上の君を見つめているんだろうね?」

「……」

知らなかった…。

今まで、あんな場所に人がいるなんて気づきませんでした。

「彼らも僕と同じく、君の歌に魅了されたんじゃないのかな?」

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