たとえばこんなスクールライフ
優しくしてくれたクラスの皆。

その事を思い出しただけで、涙が溢れてきます。

もっともっと、一緒にいたかった。

毎週末でも遊びに連れて行ってくれるって言いました。

何か会った時には守ってくれるって言いました。

悪魔の私でも、歓迎してくれました。

でも…私がそばにいると、逆に皆を危険に晒してしまう事になるんですね。

ミーシャさんに捕縛魔法を行使された斑鳩君達の表情を思い出し。

「『俯かない、下向かない』」

私は一人呟きながら顔を上げました。

こんなに情けない顔をしていたら、皆に心配をかけてしまいます。

下平さんとの約束事。

上を向いて、前を見て歩く。

寂しくなんてありません。

たとえ二度と教室に行く事はなくなっても…クラスの皆は、きっとこれまで通り歌姫としての私を応援してくれます。

だって、私の新しい曲も、絶対ダウンロードしてくれるって言ってましたから。

離れ離れでも、逢えなくても、心はいつも一緒です。

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