たとえばこんなスクールライフ
反省室に響く、言霊の調べ。

その歌声になのか、込められた魔力になのか。

術式の刻み込まれた壁面、その継ぎ目から閃光が迸ります。

やがて壁面の結合が耐えかねたかのように、反省室は『分解』を始めました。

『崩壊』ではなく『分解』。

組み上げられた反省室のブロックが、バラバラになっていったのです。

…魔法も、物理攻撃も、科学兵器も無効化する反省室の術式。

しかし私が奏でた言霊の調べは、一種の『魔法』である前に『歌』です。

反省室の術式では、言霊の調べの力を完全に無効化するには至らなかったのでしょう。

そして、私が奏でたのは『結界破りの歌』。

私自身がそれを知って歌った訳ではありません。

でも私の脳裏には、この反省室を脱するに相応しいこの歌の歌詞が、自然とよぎったのです。

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