たとえばこんなスクールライフ
「Alles schmerzt, um wen Ihnen zu quälen mir wer, Sie vertrauen vielleicht die Position an, die vielleicht seine Augen schließt, um zu verheilen
(目を閉じていいの 身を委ねていいの 私が癒してあげる あなたを苦しめる全ての痛み)」

それは、これまで口ずさんだ言霊の調べの中でも、最も優しく、労わりに満ちた歌。

『癒しの歌』

戦場と化したこの場に横たわる全ての人達…私のクラスメイト達も風紀委員も分け隔てなく、傷ついた人達全ての苦痛を癒し、和らげ、回復させていきます。

「信じられない…」

ミーシャさんが呟きます。

「永続拘束魔法で行動を抑制された者まで、その効果を無効化して苦痛を和らげるなんて…そんな万能な術式、聞いた事もありません!」

驚愕の視線で、彼女が私を見ます。

「リリムさん、貴女は一体何者なんですか!その歌は一体何ですか!?」

「…私にも分かりません」

言霊の調べという呼び名さえ、下平さんに教わったもの。

特別な魔法なのかもしれませんが、私にとっては他の歌と何ら変わりありません。

私は歌姫。

私はただ、歌う事で大切な人達の苦しみや痛み、悲しみを和らげてあげたいだけ…。


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