たとえばこんなスクールライフ
空中で起こる大爆発!

その場にいた誰もが、激しい轟音と光に視界を一瞬奪われます。

「くっ…」

それはミーシャさんも例外なく。

彼女は刹那、私の姿を見失ってしまったようでした。

如何に魔法といえど、標的を見失ってしまっては効果がありません。

周囲を見渡し、何とか私を視認しようとしています。

しかし…私が操る言霊の調べは『歌』であり『声』。

目ではなく耳で知覚するもの。

たとえ相手を見失おうと、歌は相手の耳に届きます。

「Es ist wer, traurig zu machen 
(悲しませるのは誰)」

「!?」

聞こえてきた歌声に振り向くミーシャさん。

その時にはもう、私は完全に彼女の背後をとっていました。

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