short×short
手をつないで歩こう
彼とわたしは、いつも手をつなぐ。
それは彼がわたしの彼氏であって、わたしが彼の彼女であるからです。
でも、言葉で「好き」とか言ってくれた事ないんだよね…。
「ねぇ、わたしの事どう思ってる?」
「は!?」
「だって言葉で伝えてほかしいんだもん」
案の定、彼は何をいきなり的な目で見てきた。
「何て言えばいいんだよ」
「…オーロラよりも美しい、とか?(笑)」
「ぜってー言わねぇ」
「………。」
や、わたしも別にオーロラよりも美しい、とかは言わなくて良いけどさ。
でもさー、何か言ってほしいわけですよ。
「スキ」
部屋の端で拗ねている(フリをしている)と、まさかの言葉が。
見れば耳まで真っ赤な彼。
「ん」
照れながら彼は、わたしに左手を差し出した。
「俺は言葉に出さなくても、行動で示してるつもりなんだけど」
「ふふ、」
「何わらってんの(笑)」
そういう彼にも笑みがこぼれている。
わたしはそっと彼の左手に右手を重ねた。
END