short×short
手をつないで歩こう




彼とわたしは、いつも手をつなぐ。





それは彼がわたしの彼氏であって、わたしが彼の彼女であるからです。





でも、言葉で「好き」とか言ってくれた事ないんだよね…。





「ねぇ、わたしの事どう思ってる?」



「は!?」



「だって言葉で伝えてほかしいんだもん」





案の定、彼は何をいきなり的な目で見てきた。





「何て言えばいいんだよ」



「…オーロラよりも美しい、とか?(笑)」



「ぜってー言わねぇ」



「………。」





や、わたしも別にオーロラよりも美しい、とかは言わなくて良いけどさ。




でもさー、何か言ってほしいわけですよ。





「スキ」





部屋の端で拗ねている(フリをしている)と、まさかの言葉が。





見れば耳まで真っ赤な彼。





「ん」





照れながら彼は、わたしに左手を差し出した。





「俺は言葉に出さなくても、行動で示してるつもりなんだけど」



「ふふ、」



「何わらってんの(笑)」





そういう彼にも笑みがこぼれている。





わたしはそっと彼の左手に右手を重ねた。










END
< 1 / 28 >

この作品をシェア

pagetop