short×short
朝日を待ちわびて
夢をみた。
「ばいばい」
そう言って、俺に背を向けて歩き出す彼女。
「………、」
俺は目一杯走るのに、全然追い付かない。
"待て。"
"行くな。"
"俺から離れないで…。"
そう言おうとしても、声が出ない。
目の前の彼女はどんどん俺から離れていって、誰だか知らない男と腕を組んだ。
そしてそのまま、俺の方なんて見向きもしないで歩き出したんだ。
"ソイツは誰?"
"どこに行くんだよ!!"
俺の声は届かぬまま、彼女と男は消えてしまった。
これが、…夢なら
早く覚めて…。
だけど、
起きた時には、彼女はいない。
END