short×short
不覚にもときめいた
-キーンコーンカーンコーン
チャイムの音と同時に廊下を走る音。
その音は私の前でとまった。
「くま、なんでお前はいつもチャイムがなったと同時に現れるんだ」
「マコちゃんに早く会いたいからだよ」
くまはずっとこんなんだ。
いつも素直で、思ったことをすぐに口に出す。
「はいはい」
くまの言葉を軽くながして2人一緒に教室を出る。
先に言っておくが、私達は付き合っていない。一緒に帰っているのは、…成り行きだ。
ちなみに私は男らしい、筋肉質な体の男がタイプだ。
ちらとくまを見ると、
(女子か!!!!!)
私をはじめそこら辺の女の子よりも、可愛いんじゃないかと思われる。
(今度女装でもさせようか)
「~でさあ、そのオッサンが」
ずっとべらべら喋り続けていたくせに、いきなり私の腕をつかみ自分の方へ引き寄せた。
「あっぶなー、」
本当に危なかった。くまに引っ張られなかったら、車に轢かれる所だった。
それにしても…、
くまが、意外に力強くて、意外に筋肉があって、意外に…男だった。
「あれ、マコちゃん、顔赤くない?」
END