short×short
震えた声で、
この、温暖化が進んでいる日に、地球から湯気を出していそうないやきっと出している暑い日に、ベタベタと男と女がくっついている光景を見るとイライラする。
(納豆かっつーね)
まあ多分、イライラの原因は暑いからとゆう訳では無いのだろうけど。
どちらにしろイライラするんだから、別に少しばかり暑さのせいにしたって良いじゃないか。
だってつい先程、ほんの数分前、ワタシはあの納豆のようなベタベタな男と女みたいな関係だった人に、フラれてしまったのだから。
理由は『好きな人ができた』とゆうなんとも在り来たりな、何の面白味のない物。
その割にはズキンとワタシの心臓に、鋭く長い針が刺さったような衝撃があったのだけれど。
だからといって別れなくない、なんて言えず、ただ今となっては彼氏ではなくなってしまった彼の、遠くなってゆく背中を見つめる事しか出来なかった。
涙を流して見せれば良かったかしら。悲しい声で待ってと言えば良かったかしら。
なんて、今数分前のあの場に戻ったとしてもワタシは何にも出来ないクセにね。
あらでももしかしたら。あのとき言ったさようなら、の言葉。
震えた声で、言うことくらいなら出来たのかもしれないわ。
END