short×short
おかえり、の笑顔
満員電車が窮屈でも、上司にグチグチ言われても、体の調子が悪くても、いくら寝不足でも、
そんなストレス達を、一瞬で吹き飛ばしてしまう魔法の言葉。
一日の仕事を終え、 電車に揺られて星空を眺めながら夜の道を歩いて、家へ向かう。
今日は少し遅くなってしまったからもう寝てるかな、なんて不安を抱きながら。
町の明かりも少しづつ消えていっていている。
やっぱり僕の家の部屋の明かりも消えていて。
鍵を取り出し鍵穴にそーっと差し込んで、ゆっくりとドアノブを回しなるべく音をたてないように中に入った。
(ただいまー)
起こしてしまうのを避けるさめ、心の中でその言葉を言う。
リビングに入ると、僕の大切な人はテーブルに突っ伏して寝ていて、その側には僕の夕飯があった。
するとその人は目を越すりながら、うっすらと目を開けた。
僕に気付いたその人は、目を細めてふわりと笑って言った。
満員電車が窮屈でも、上司にグチグチ言われても、体の調子が悪くても、いくら寝不足でも、
そんなストレス達を、一瞬で吹き飛ばしてしまう魔法の言葉。
「おかえり」
END