short×short
きみ限定王子志望
「…、ププ」
奴は俺を見るなり笑いやがった。それはもうにやにやしながらウザったく。
「、んだよ」
「いやー、さっすが。似合ウナアト思イマシテ。」
「棒読みじゃねえか。殴んぞテメー。」
「あっはっは」
奴が言っているのは俺の格好の事だ。(奴は爆笑しているけどな)
まあ、自分でも心底似合わねえとは思っている。学園祭劇『ロミオとジュリエット』ロミオ役の白馬に乗ったこの王子の格好がな!!!
「学園一二を争うイケメンと言われる貴方ともあろう方が、まさかこんなに王子の格好が似合わないとは…」
「あー、うるせえなあ!わーってんだよ自分でも!つーかお前はどーなんだよ?」
「似合ってるっしょ?兵士D」
「美少女ガ台無しデスナ」
「いいもーん。あたしは一人の人だけのお姫様なんだもーん」
「そうですかー。そんな奴いるかどーかわかんねーけどな」
「うるさい!いつかあたしの美貌に気づいてくれる人が現れるの!」
「はっ、どーだか。…でもまあ?誰もいなかったら俺がなってやんよ。お前の王子様」
どうか誰も奴の美貌に気づきませんように。
END