short×short
きみ限定王子志望





「…、ププ」





奴は俺を見るなり笑いやがった。それはもうにやにやしながらウザったく。





「、んだよ」



「いやー、さっすが。似合ウナアト思イマシテ。」



「棒読みじゃねえか。殴んぞテメー。」



「あっはっは」



奴が言っているのは俺の格好の事だ。(奴は爆笑しているけどな)





まあ、自分でも心底似合わねえとは思っている。学園祭劇『ロミオとジュリエット』ロミオ役の白馬に乗ったこの王子の格好がな!!!





「学園一二を争うイケメンと言われる貴方ともあろう方が、まさかこんなに王子の格好が似合わないとは…」



「あー、うるせえなあ!わーってんだよ自分でも!つーかお前はどーなんだよ?」



「似合ってるっしょ?兵士D」



「美少女ガ台無しデスナ」



「いいもーん。あたしは一人の人だけのお姫様なんだもーん」



「そうですかー。そんな奴いるかどーかわかんねーけどな」



「うるさい!いつかあたしの美貌に気づいてくれる人が現れるの!」



「はっ、どーだか。…でもまあ?誰もいなかったら俺がなってやんよ。お前の王子様」



どうか誰も奴の美貌に気づきませんように。





END
< 27 / 28 >

この作品をシェア

pagetop