short×short
ナミダ
「ごめん」
本当にごめん。
いくら謝っても、傷つける事に変わりは無いのだけど。
"ごめん"と言う以外に言葉が見つからない。
「…、」
「ごめ、」
「…、前にさ、言ってくれたよね?」
「…沙良、」
いつから…
いつからだろう。
"沙良、好きなんだ。"
"絶対泣かせたりしない"
"幸せにするから"
あの時の俺の言葉達は本物だったはずなのに…、
何故こんなことになってしまったんだろう…?
沙良の泣いた顔は嫌いだったのに、
泣かせたくなかったのに…、
今目の前にいる沙良は泣いている。
ごめん、沙良。
「別れよう」
END