生きる。

「じゃあ、何なの?何かあった?特別悲しいこととか?…違うなら言えるだろ。言えよ」

「…っ…その…」


¨エイズは汚い。和泉は汚い。触ったらうつる¨ってー…

そう思ってる。

俺は小さくため息をついた。



「もう帰れよ」


そういって背をむけようとした。


ー…バサ!

とんできたのは花瓶に生けてあったひまわりだった。

そのひまわりは俺の頬を傷つけ、空しく床に落ちた。


「やべー…血…」

ティッシュで血をふき取り、すぐさま消毒液で傷口を消毒した。

絆創膏を張ると、ビニル袋に血のついた物を全て捨てた。

もちろん、ひまわりもー…

その動作を涙花は静かに見ていた。

しかしながら、花が顔面に当たるといたい。

しかも投げてきたのは涙花。


本気だった。

まだヒリヒリする。


「いっつもそう。和泉は心の中で私への不満や私への気持ちを思って…。

それを現実で言ったつもりなの?!……聞こえてないよ。和泉の言葉は私に届いてない!」



涙花は涙をためていた。


泣いたら負け。


それが涙花の口癖で、


必死に涙を止めていた。







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