生きる。
「…和泉」
「うん」
「ハイ、あげる」
涙花の手から渡されたのは、俺らにはまだ大きかった、シンプルな指輪だった。
「え?」
「ママにもらったの。ほら、おそろい」
きっと、涙花ママは俺にじゃなく、将来一緒になる人にあげてって言ったんだと思う。
でもまだ知識的に発達不足の涙花の頭は、それを認識しなかったんだ
「…もらっていいの?」
「うん!涙花とずっと一緒ないるっていう約束のあかし」
「………ずっと?」
ー…ただ、それだけのことだった。
小さな小さな約束で、指輪はあってもなくても同じ。
でも、俺はそれを毎日持っている。
定期的にあることを確認して、その約束を思い出す度、笑ってしまう。
でももう、それは必要ない。
¨ずっと…一緒だよ¨
¨いいぜ。約束¨
¨約束!¨