生きる。
涙花の苦しみ
俺にとって、笑顔は苦 izumi side 6
涙花を突き放してから、一週間が過ぎた。
その間も迫り来る受験に向けて猛勉強する毎日。
涙花は一日に何度もしゃべりかけてきたが、無視した。
あんまりにそれがひどいと、あの日以上にひどい言葉を投げつけ、傷つけた。
見せ付けるように、涙花の目の前で他の女の子と遊んだり、しゃべったりした。
それを見て、左京はつらそうな顔で俺たち二人を見る。
…とくに涙花をー…
涙花と離れて、いろんなことが見えてきた。
今のところ、一番びっくりしたのは
左京が涙花を好きだってこと。
それを顔に表す左京を、今まで全然見てあげられなかったんだと、後悔した。
だから、なるべく、二人を一緒に行動させた。
いろんな理由をつけた。
本当はしたくなかったのに。
でも、こうするしかない。
今の俺の願いは、涙花と左京がくっつくこと。
それだけ。