生きる。
涙花の揺れる心
始まりの日から絶望的 ruika side 6
「和泉!」
驚いている3人の前に、私は立つ。
驚くのも当たり前だよね…
「…何してんの、涙花」
「何って?」
「なんでここにいるの」
少し怖い和泉に、私は足が震えたけど…
もう怖くない。
だって、自分の力で、入学したんだもん。
「また追いかけてきたのか」
「まさか。たまたまよ」
「ウソつくな」
「ついてない」
そこから私たちの口げんかは始まった。
ついてる、とかついてない、とか…
まるで小学生だ。
「もうやめ。めんどくさい」
左京君が入ってこなかったら、まだけんかしていただろう。
「和泉ったら、私も同じクラスなのに、全然気づかないんだもん」
「はあ?…ざけんなよ」
「ふざけてないわ。私だって、なりたくなったわけじゃないもん」
「とにかく、話しかけてくるなよ。俺はお前と縁切ったつもりだし」
「私は…」
「お前は縁切ったつもりなくても!…俺は切ったんだ」
その言葉で、また、心が傷つけられた気がした。
…絶えられるのかな。
「行くぞ」
「おっおう」
和泉のあとを、ついていく男の子は、こちらをチラチラ気にしていたようだった。
…きついな…
「大丈夫か?羽生」
「え?」
1人残ったのは、左京くんだった。