嘘つき③【-束縛-】
* * *
部長の婚約者が戻ってきたのは先週。
それから、2人っきりになるのはあの日以来。
部長と一緒に現場に出向いていたあたしは、運転席に座る彼に未だにドキドキしてしまう。
「…部長」
「なんだ」
いつも通り甘くない、口調。
長い指先。形良い唇。
定期的にそれがあたしに触れる。そう思っただけで鼓動が早くなる。体が波打つ様に。
だけど、
「婚約者さん、帰ってきてるんですね」
名前で呼ばなかったのは、ただの、意地。
「ああ」
部長は淡々と答える。
定期的、に会える。だけど、『お嬢様』その人が戻ってきてから部長はあたしに指一本触れない。
嫉妬で、身を焦がしそう。
部長の婚約者が戻ってきたのは先週。
それから、2人っきりになるのはあの日以来。
部長と一緒に現場に出向いていたあたしは、運転席に座る彼に未だにドキドキしてしまう。
「…部長」
「なんだ」
いつも通り甘くない、口調。
長い指先。形良い唇。
定期的にそれがあたしに触れる。そう思っただけで鼓動が早くなる。体が波打つ様に。
だけど、
「婚約者さん、帰ってきてるんですね」
名前で呼ばなかったのは、ただの、意地。
「ああ」
部長は淡々と答える。
定期的、に会える。だけど、『お嬢様』その人が戻ってきてから部長はあたしに指一本触れない。
嫉妬で、身を焦がしそう。