嘘つき③【-束縛-】

「…花梨、もしかしてそんな状況?」


里穂は声のトーンを落とす。あたしは慌てて


「違うよ、違うけど。思っただけ。」


話の流れが全然汲めてない話題を提供したのはあたしだけど、里穂は


「ふーん。まあ、花梨はないと思うけど」


と笑う。


「なんで」

「花梨は駄目だよ。そんな恋愛向いてない。向き合ってくれる人じゃないとやってけない」


里穂は笑ってビールを飲み干した。



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