嘘つき③【-束縛-】
-告白-
* * *
気付けばあたしは部長のマンションの前に立っていた。
何度か通った場所。
彼の匂いのする部屋。
生活感がないのに、その雰囲気を閉じ込めた様な。
酔ってるのかもしれない。
婚約者さんと一緒かもしれない。
だけどあたしは真っ直ぐ彼の部屋に向かう。
会いたい。
もう、終わりでもいい。
『愛人にして下さい』
なんてチープなセリフ。
それ程、深い仲、なんかじゃない。
こんな関係、きっと限界。