嘘つき③【-束縛-】

「多少酔ってます。だけど…本音です。」


自分自身、こんな性格知らなかった。こんなに強引に求めるなんて思わなかった。


好き過ぎて仕方ないなんて、


こんな感情知ると思わなかった。



「…冴木」



押し黙った、部長の声に八ッとする。



部長は、その真っ黒な瞳を揺らす事なく、あたしを見つめる。




駄目、



いきなり体の熱が冷めていくのを感じて、




逃げ出したい衝動に駆られた。


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