キミがくれた光
まるで私の気持ちを知っているように、悲しい歌ばかり歌う。
少年は、まだ中学生くらいのように見えた。
目を閉じた顔は少し大人っぽくも見えた。
でも、夜空を見上げた時のクリクリっとした大きな瞳は、まだあどけなさを残していた。
ギターを弾く指は、大人の男を感じさせる。
結構骨ばっていて、あいつのスラっとした手とは違っていた。
携帯電話を鞄から出す。
連絡があるはずもない。
あいつからも、親からも。
私はひとり。
私はひとりぼっちの寂しい子。
寂しい小鳥。
どこかへ飛んで行きたいのに、まだうまく飛べない小鳥。