キミがくれた光
「確かに、俺は・・・・・・ いい父親じゃなかった。父親としての自分よりも男としての自分を優先していた。嘘だと思われるかもしれないが、俺はお前とふたりきりになるのが怖かった。拒絶されるんじゃないか、嫌われるんじゃないかと。だから、彼女ができるとすぐに一緒に暮らすようになった。でも、それは鈴音にとっては地獄だっただろうね」
地獄。
本当に地獄だった。
土日なんて最悪。
連休なんて大嫌いだった。
家にはいつも甘い雰囲気が漂っていて、私は用もないのに公園に出かけて時間をつぶしていた。
「お父さんには感謝してる。でも、それは今だから思えること。佳世さんを追い出してくれたから。それまでのあんたは最低だった。こんな狭い家で、エッチするとかどうかしてると思うよ。聞こえないとでも思った?それともわざと聞こえるようにしてたの?」