キミがくれた光

お父さんは私が小学校の頃の話をした。



私も忘れていたこと。




お父さんに最初の彼女ができた時。


私は、おめでとうと言ったらしい。



でも、翌日から学校を休み、お父さんから離れようとしなかったと。




「あの時、鈴音は俺を取られたくなかったんじゃないかなって。今になって思う。あんな風に俺にべったりだった鈴音が変わってしまったのは、俺のせいだと」





綾のお母さんと私のお父さんは、お互いに今の恋人と距離をあけようと話した。



そうすれば、娘の気持ちも安定するかもしれないと。


“あなたが一番”と娘に伝えてあげたいと綾のお母さんは涙を流したんだって。



お父さんも、佳世さんと別々に暮らすことを決めた。





綾のお母さんも、私のお父さんも･･････ちゃんと「母親」と「父親」の顔を持っていた。





嬉しかった。






会ったばかりでいきなりホテルに行ったんだと勘違いしたけど、本当に信じていれば何かの間違いだと思えたはず。





これからは、信じることができるかもしれない。