キミがくれた光




歌い終わった少年は、ペコっと頭を下げた。





「普通、泣いてる人にそんな歌歌わないんじゃない?」




聞こえるか聞こえないかくらいの声で言ってみる。





「俺、性格悪いから。泣きたいヤツはもっと泣けばいい」





かわいい笑顔の少年は、毒を持った綺麗な花のようだった。



私の心を癒してくれる優しい声は、歌が終わると凶器に変わる。





「泣くのはいいけど、顔汚いよ」




にっこり笑う。



そして、

また悲しい歌を歌う。




今度は、歌いながら泣いてしまうんじゃないかと思うくらいに感情を込めて。




切ない歌声。




とんでもなく大量に涙が出た。









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