キミがくれた光
拓登が優しくうなづいてくれるたびに、涙が出そうになる。
私には拓登が必要なんだ。
今、拓登がいなかったら、私はどうなっていたかわからない。
綾が家出をした。
どこにいるのかわからない。
私には連絡がない。
「もう私のこと嫌いになったのかな」
「お前らの友情はそんなもんだったのか?」
「わからない。私にとっては綾が唯一の友達だった。でも、綾は・・・・・・」
うつむく私の頭を叩く拓登。
その手を振り払おうと手を伸ばす。
「大丈夫だって」
優しい声と共に、優しい温もりが私の心を掴む。
手を握られた。
体のわりに大きな手。
温かい手で私の手を握った。