キミがくれた光
「どうせ、声かけられんの待ってんだろ?フラれて寂しくて、誰でもいいから声かけてくる男についてくんだろ?そのままヤラれて、また同じことの繰り返し。中身のねぇ女のすることはだいたいわかる」
私、買ってまだ1週間の傷のない携帯電話を投げつけていた。
「てめぇに何がわかるんだよ!!」
立ち上がった私は、携帯だけじゃなく鞄まで投げつけて。
私がこんなに怒ってるというのに、爽やかに微笑む少年。
「泣いたり、笑ったり、怒ったり……忙しいヤツだな」
私、怒ることもできた。
ただ泣いていた私が、この少年のおかげで、笑って、怒って……
自分を取り戻せた気がした。
「ばーか!!!もう帰る!!!」
自分で投げた鞄を自分で拾い、傷ついた携帯をポケットに入れる。
「気をつけて帰れよ~!バカ女」
背後から突き刺さる声。
私は振り向いて、大声でもう一度『バカ!』と叫び、走り出した。