キミがくれた光
■Melody 1
浮気相手は私
―浮気相手は私―
満員電車に揺られて、どうにかこうにか地元の駅までたどりつく。
酔っ払いのオヤジ。
騒がしい合コン帰りの会社員。
人目も気にせずイチャつく目障りなカップル。
涙は我慢すればするほどに、哀しみの色が濃くなる。
やっと流れ出ることを許された涙は、私の頬を伝い、赤茶色のレンガの地面に落ちた。
本当はどんな形でもそばにいたかった。
私だけを愛してくれないとしても、二度と会えないよりはマシだった。
すがりつきたかった。
やっぱりあんたが好きなんだって泣き叫んだ方がスッキリした。
かっこつけてさ。
『別にあんただけが男じゃないし』
そんなセリフが似合う女でもないのに。