キミがくれた光
もうこんな家
いやだ。
逃げ出したい。
早く大人になりたい。
誰か
誰でもいいから助けてください。
自分が、誰からも必要とされていないことが恐ろしくてたまらない。
私が今日突然消えてしまっても、誰も私を探そうとしないような気がした。
私が消えてしまっても、この地球は回っていて、お父さんと佳世さんはここで平和に暮らすんだ。
誰も困らない。
誰も泣かない。
私、いらないんじゃない?
この世に『私』っていう人間はいらないんだと思う。
誰の為に、何の為に生きてるんだろう。
娘がベッドで泣いてるってのに、隣の部屋ではベッドがきしむ音がする。
布団の中に顔を突っ込んで、大きな音で音楽をかけた。
聞きたくない。
聞きたくねぇよ。
てめぇらが愛し合う声なんて。
消えて。
どこかへ消えて。
私も消えるから。