キミがくれた光
「鈴音ならすぐ男できる。アイツ、かっこよかっただけじゃん。今日、誰か紹介しようか」
私は、う~んと悩んだフリをして、まだちょっと時間欲しいからと言って紹介を断った。
綾は、彼氏がいる。
2人。
同じ学校の子と、バイト先のおじさん。
いわゆる金目当て。
それを良いことだとは思わないけど、本気になって『それはやめなよ』って説教する気はない。
そんなこと言って、せっかくできた友達を失いたくないから。
どんなことを言っても繋がっていられる親友になるまでは、私は何も言わない。
話を合わせてる。
そのおじさんに、私も一緒にごちそうになったこともある。
そんなことを平気でしてそうに見られる私だけど、実際は結構固くて。
実は処女だし。
二股とか浮気とかそういうのは、自分にはできないって思ってる。
一途とかじゃなく、そういう面倒なことを器用にできる子じゃないってこと。
それもかっこつけてるだけで、本当は認めたくないんだ。
自分が『純粋』だってこと。
外見だけ軽く見せて、結局は軽い恋愛なんて向いていなくて。
軽く付き合ったつもりだったあいつにもいつの間にか本気になっていた。