キミがくれた光
■Melody 2
居場所
―居場所―
夜の街には、寂しい人間がたくさんいた。
人間だけじゃない。
寂しい野良猫、野良犬。
私は止まりそうな速度で、綾と肩をぶつけながら歩く。
ひとりで地面に座って泣いていても、誰も不思議がらない場所。
寂しい街。
キラキラ光るネオンが好き。
涙目でそれを見ると、万華鏡のように輝くから。
ここがどこなのかわからないくらいに現実感が無くなる瞬間。
「おっさんから連絡だ」
おっさんというのは、綾のバイト先の金だけのおじさんのこと。
「行っていいよ」
「ごめん!!鈴音!!例の計画、絶対実行しようね」
手を振りながらも、視線は携帯電話の画面。
綾は、なんだかんだ言って、そのおじさんのことが好きなのかもしれない。
本音はわからない。
聞かない。