キミがくれた光
ポタポタと落ちる涙。
ドーナツ屋さんから甘い匂いがする。
閉店間近のドーナツ屋さんから、何人かのお客さんが出てくる。
涙を拭いて、窓に映る自分を見る。
痛んだ髪がかわいそう。
変な顔。
まつげも取れちゃってる。
あんな男でも、私は本気で惚れていた。
だから、あいつと同じ色の髪にした。
初めてのキスもあいつ。
恨みたいのに、恨めない。
心のどこかで、初めてのキスがあいつで良かった……なんて思ってる。
二股かけられてたのに。
ううん、違う。
二股なんて良いもんじゃない。
私はただの浮気相手だった。
本命の彼女がいたんだから。