キミがくれた光
「この店にしよっか?鈴音のパパのことだから、そのままホテルに誘ったりしてくれないかなぁ」
綾がそう言って嬉しそうな顔をしたから、私も同じように笑ってみせた。
でも、ちょっと胸が痛い。
本当にそんなことになったら……
ちょっと恥ずかしいよ。
お父さんって軽い男なんだって世間にさらしているような。
それに、やっぱり・・・・・・
そこまで最低な男だって思いたくなかった。
「綾のママはそんな軽くないじゃん」
「わかんねぇよ。アイツも」
綾は、お母さんのことを思い出したくないようで、すぐに違う話をした。
おっさんからもらったという1万円で、綾は服を買った。
私は、別に服なんかいらないと思いながらも、綾の試着した服があまりにもかわいくてうらやましかった。