キミがくれた光
「ははは。一夜限りの?てか、うぬぼれんな!!一夜だけでも、鈴音みたいな女を抱きたいなんて思わねぇっつーの!!」
大きな口を開けて、笑う拓登。
「グサ…… 今の結構傷つく」
「あははは。俺、いじわるだから。俺といるといっぱい傷つくよ」
「でも、拓登に付けられた傷はすぐに癒える。どうしてかな」
わかってるんだ。
拓登は優しい。
心が温かくて優しいから、いくらいじわるを言われても心地良い。
「俺がどうでもいい男だからだよ。大事な人に傷つけられると、なかなか忘れられない」
「拓登は、いちおう大事な人だよ」
「いちおうって言うなぁ!!」
「はは。拓登はね、いじわるぶってるけど、実は真面目だし優しいんだってわかる」
「俺の何を知ってんだ?だから俺は悪いヤツだって」
「はいはい。わかったって」
「年上の俺をバカにすんな!!」
手を伸ばして、私の髪をぐしゃぐしゃって乱す。
一緒に乱された私の心を拓登は知らない。