キミがくれた光
「あ、さっきのは嘘だからぁ……」
照れくさそうな顔して。
ほんのり頬を染めて・・・・・・
「一夜だけでも抱く価値ないなんて言ったけど。そうじゃなくて、一夜限りで抱くにはもったいねえかなって。簡単に声かけて遊ぶ相手にしては、鈴音は悲しい顔をしすぎてた。そんなことしたら、コイツ消えちゃうんじゃないかって」
「拓登……」
「優しいとかじゃなくて。俺は、別にそんな相手を探してたわけじゃないし、鈴音が俺の歌を聴いてくれただけで満たされたっつーか」
「拓登も寂しいの?」
夜中に毎晩あの場所で歌を歌う拓登は、私よりもずっとずっと多くの寂しさを抱えているような気がした。