キミがくれた光
「鈴音は、俺に助けてもらったって思ってるけど、それは違う。お前は気付いてないだけで、俺のことを助けてたんだよ」
目を細めた拓登が、また私の髪を触る。
拓登が髪に触れると、心に触れられたような気持ちになる。
ビクって。
それと同時に
ホッ・・・・・・って。
安心感みたいな。
寒くて寂しくて氷みたいな心に、拓登の温かい優しい手が触れる。
「どういう意味?」
「鈴音バカだからわかんねぇだろうけど。お前の悲しい目を見てると、俺の寂しさが消えた。なんつーか、わかんないけど、鈴音がここに来てくれると俺も嬉しい」
私はバカだけど、真剣に話してくれる人の気持ちはちゃんとわかる。
うん。
わかる。
拓登の言いたいこと。
でも恥ずかしくてフザけちゃったりする私。
「私に、惚れてんの?」
「あ~!やっぱお前はガキだし、バカだし、最悪だ!!!」
「怒ってんの?」
「見てわかんねぇのか!!もう…… まぁ、今日は鈴音が珍しく泣いてないから許してやるけど」