キミがくれた光
待ち切れずに、午前中から綾とデート。
二人で相談して決めたファッション。
いつもより女らしく、がテーマ。
黒地にピンクの花柄の膝上までのチュニックにお揃いのロングブーツ。
「綾、かわいい!モデルみたい」
「鈴音のそんなラブリーな格好初めて見た!似合うじゃん」
私も綾も、本音は隠して……
元気に、明るく、ただ今日の計画を楽しみにしているフリをして。
「じゃ、美容院行こう!」
いつもお金がないから、近所の美容院しか行ったことがない。
こんなおしゃれなところは初めてで緊張する。
中学時代は、よく遊んでくれた高校生の先輩が私の髪を染めてくれていた。
「痛んでるけど、きれいな髪質だね」
テレビから抜け出してきたようなスタイルの良い顔の小さい男性が私の髪に触れる。
「そうですか?いつも安物で染めてたから。ちゃんと染めるの初めてなんです」