キミがくれた光



「うまく行くかな?」


「おっさん次第だよね」


「おっさんって信じられる人だよね?」


「うん。キモいけど、性格はいいから。私と鈴音の家庭環境を知ってるから、仕返ししてやるって張り切ってるよ」




綾の表情を見ていると、お金だけでつながっているとは思えなかった。




4時まであと少し。


この計画を実行するか中止するか決断するには、あと少ししか時間がなかった。



きっと綾も同じ気持ち。




中止した方がいい。


それはわかっていた。



でも、止めることはできなかった。






「あ~!おっさん、来た来た!!」




ホテルの隣のファーストフード店にやってきたおっさんは、前に会った時よりも太っていて、油っぽかった。



一瞬想像してしまった。



綺麗な綾が、この汚いおっさんと体を重ねているんだって・・・・・・





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