4人の教師にお手上げです!
『…っ。』
自然と目がいってしまうのは
デスクの上に
銀色に光るものが入った
ほこりをかぶっている
ビニール袋。
…これをいつか
返せる日がくるのだろうか。
…あいつに。
…いや、
いつかまた
逢うことが
できるのだろうか。
そのとき。
俺の頭の中に
ひとつの考えが浮かんだ。
なんで俺が
この塾から
抜け出さないのか
ということに対しての
理由。
『…なぁんだ。
単純な理由だな。』
一人で呟いて
苦笑する。
…いつの日か。
あいつが
必ずここに
戻ってくるんじゃないか。
…そう期待しているから。