らぶ★ぱにっく-lovable person-



「…卓都何してんだよ」




そんな声が聞こえて来て、顔を上げた





「隆平…」



隆平の後ろに小さい影が見えた



「…っ!!要」



隆平の背中に顔を埋めている要



一瞬見えた表情は、苦しそうに泣くのを我慢していた




「…要を諦めて二人を応援しようと思ったけど、卓都がそんなんなら俺…諦めねぇから。要を任せられねぇ」



そう言って要の肩を支えてどこかに行った




「たっくん!!行って…いいよ?」

「…っ

ごめんな、亜弥」





亜弥に謝ると、要と隆平の後を追った



少し走ると、要と隆平の後ろ姿が見えた






「隆平っ!!」




隆平の肩をグイッと引っ張った




「…ちょっとだけ、要と話しさせて」

「だって、要ちゃん」




そう言って要に視線を向けた隆平



要は下を向いたまま、首を横に振った



何で、目合わせてくんねぇんだよ




「嫌だって、だから無理」

「すぐに終わらせるから、頼む」



"すぐに終わらせるから"と言ったとき要の肩が動いた



そして一瞬だけ、俺を見上げた



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