らぶ★ぱにっく-lovable person-
「亜弥…落ち着け。」
そうは言ったけど、亜弥は一度自分を見失うとどうやっても治まらない事は俺が一番知ってる。
「やだぁ…やだやだやだ!!」
「…お、おい」
「あんなコ、全然たっくんに釣り合って無いもん!!あたしの方が…っ…良いよ…」
「……。
俺の事をどんな風に言ったって構わねぇけど…要を侮辱する奴は、亜弥であろうと許さねぇ。」
要を悪く言う奴は、幼なじみでも許さねぇ。
俺は真っ直ぐに亜弥の目を見て言った。
すぐに亜弥の眉は下に下がり目には涙を溜めている。
ごめんな…。
けど、俺はお前以上に大切にしたい女が居るんだ。
それが要なんだよ。
だから、その涙を拭ってやる事は出来ない
「…本当に…グスッ…ダメなんだね…っ」
「…ん、ごめん」
「なんか…奥さんが羨ましいや…ヒッ…っ…」
「ごめん。」
「あ…やまらないで…よ…」
そう言ってハンカチで涙を拭いた亜弥。
「亜弥はもう、一人でも大丈夫だよ。」
「え?」
「涙、自分で拭けるだろ?」
要はさ、ダメなんだよ。
一人じゃ…
「…絶対に、たっくんより良い男見つけてやるんだから…」
「うん」
「……。
たっくん…ありがとう。バイバイ」
亜弥は、力無く笑いながら俺に背を向けてお店から出ていった。