泣き恋
街灯に照らされた
彼の顔を見上げると、
その人は、泣いていた…。
きっと自分の方がひどい顔なのに、
その涙にびっくりして、
目をそらせなかった。
『この人、誰なんだろう』
『なんで、泣いてるの?』
『どれくらい、ここで待ってた?』
ボーっとした頭でいろんなことを考えようとしたけど、
言葉になる前に消えて行く。
体がフワフワして、
私、なんか…。
どうしちゃったのかな…。
そう思った時、
グラっと体が前に傾き、
視界が揺れた。
『倒れる…』
。