泣き恋

「紗奈に、
このことをわかってほしかった。

だから、オレの話、
聞いてほしかったんだ。

オレは、
紗奈がいてくれて気づけたから。


前に進めたから」



このときには、ショウはもう、

いつもの笑顔に戻ってた。



「で、最後に」




照れた笑顔で
そう前置きしたショウは、



「これからの紗奈の人生は、
オレが全部受け止める。

過去を忘れなくていいから。



オレは、…今の紗奈が好きだよ」



こういってくれたんだ。






「オレがいること、
忘れんな」








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