泣き恋
こんなに温かい涙を流したのは、
何年ぶりだろう。
素直にうれしいって思った。
でも、
前に進む勇気は、今の私には、
ない。
まだまだ、ショウみたいに強くはなれないよ。
「今は、もうちょっとだけ、このタオル貸しといて。
きっと、ちゃんと返しにくるから!」
ショウは一瞬、
寂しそうな目をしたけど、
すぐに笑って
「待ってるよ」
って、言ってくれた。
そして…
玄関で靴をはく、私の後ろから
ギュッて抱きしめて
「こんな小さなカラダで、
全部抱えんなよ!」
そんな言葉をくれたんだ。
。